日銀短観

景気が悪い。今年の春まで続いた好景気は、その長さは「いざなぎ景気超え」といいながら、実感としては全く景気がいいとは言えなかった。それが、いま、決定的に景気が悪くなっている実感がある。ここまで悪くなるとは、つい1,2ヶ月前には想像もできなかった。リーマン・ブラザーズの破綻とかプライムローン問題とか石油高騰とかいろいろあって、景気悪いなあとは思ってはいても、それは、「厳しい」とか「苦しい」とかいう言葉で表現されるレベルだった。ところが、ビッグ3が危ないなんてニュースが流れ、アメリカが大変だと思っていたら、トヨタが、あのトヨタですら大幅な人員削減に踏み切り、雪崩をうったように、ソニーやらキャノンやら、なんやらかんやら、大企業が「派遣切り」だの「減産」だの景気の悪い話ばっかりで、あっという間に日本も大不況に突入する勢いである。もう、「危機的」なんて言い方では足りず、「ダメ」とか「破滅」なんて言葉が似合うくらいに不景気なのである。
そういえば、「派遣切り」なんて言葉が紙面をにぎわす今日この頃であるけれど、そんな日本語、あったのだろうか。そして、「内定取り消し」した企業を非難する風潮があるけれど、取り消しを禁止したって、抜本的解決にはならないじゃないかと思う。「内定取り消し」しなきゃいけないほどせっぱ詰まった企業に、内定取り消しを禁じたって、それなら現職の従業員の首を切るか、倒産するしかないような気がするのである。