K市

金曜日。高校、予備校、大学、アルバイトと11年過ごし、そのうち6年間は住んでもいた街に行ってきた。知らない店が続く商店街の中に知った名前の店をいくつか見つけた。
夜、古い友だちに電話をかけた。「カラオケに行こう」という友の誘いに気乗りはしなかったが、強く反対することもできず、行きつけらしいスナックに連れて行かれた。僕らにとっての懐メロソングは井上陽水大瀧詠一や村下孝三や世良正則だったようだ。ノリが悪いと叱られながらそれら懐メロは無視して現在の僕の持ちネタを歌いきる(2曲しかない)と、佐野元春とか尾崎豊とか結局僕らの懐メロを二人で歌う。サビしか覚えてなかったりしても構わず叫ぶうちそれなりにノッてきたのだが、同時に酔っ払ってしまって、ホテルに戻るや否やベッドに倒れこんだ。