Moebius

先日、京都に行った。京都国際マンガミュージアムの企画展 「彼自身によるメビウス―フランス・マンガ界の巨匠ジャン・ジロー=メビウス」展が目当てだ。
30年前に『Arzach』のダイジェスト版を載せたSFマガジンに出会い、いつか本物の『Arzach』を手に入れたいと願いつづけてきた。その本は企画展で売ってはいなかったものの、展示室の中に置かれ自由に見ることができた。でも、憧れのその本は、30年前の感動を呼び覚ますことはなく、はっきり言えば失望だった。憧れは憧れのままで置いておけばよかった。
ミュージアムで売っていたのは、5万円のポスターみたいなやつ数枚と『INSIDE MOEBIUS』の2〜5巻(各巻4千円前後)。なぜか第1巻はなかった。ポスターには欲しいのがなかったので、『INSIDE MOEBIUS』を買うかどうかさんざ悩んだ。高いことは高いが、Moebiusの本を買うために京都に行ったんだし、出せない金額じゃない。でも、中身は僕にとって満足させられるものではなく、好きなカットは1巻に10ページもない。買わずに帰ればあとで後悔するとは思ったが、買わずにあとで後悔したほうが、不満足な本を手元においとくよりマシかな、という気持ちもあった。
結局、第3巻だけ買って帰った。ちょっと眺めただけで置きっぱなしになっている。