容疑者Xの献身
ネタバレが含まれているので、未読の方は読まないでください。
最初の20ページくらいは、こりゃ駄作だ、と思った。人物造詣が安っぽいし、陳腐な表現がちょこちょこあって、なんでこれが直木賞?と思いました。でも、殺人事件が始まってからは表現力のお粗末さも気にならなくなり、石神が仕組んだ罠がなんだったのかを想像しながら先に先にと読み進めました。そういう意味ではとても面白かったです。
…でも、事件の起きた日が3月9日だったなんてどっかに書いてあったっけ?あるいは、それらしき伏線があったっけ?(あったらゴメン)なんか、作者に騙されたような読後感です。もちろん推理小説は作者に騙されるのを楽しむものなんだけど、騙されたあとで、ああそういえばあそこにヒントがあったんだ、やられたあ、みたいな騙され方をしたいものです。