出張帰りにキンカンを買った。ビニールハウスで栽培して、その場所で売っているのである。
キンカンといえば、昔、「キンカン塗ってまた塗って♪」というCMがあった。あれはいったい何の商品を宣伝していたのだろう。「塗って」というからにはキズ薬あたりなのか。
子どもの頃はキンカンって好きじゃなかった。皮ごと食べるってところにまず抵抗があった。ミカン類ってのは皮を剥くもんだという固定観念があったからね(そういう意味ではレモンも邪道っぽいけど、レモンは最初っから皮ごと食べるものという認識だったので抵抗はなかった)。それに、実際問題として皮ごと食べると苦いというかエグイというか美味しくはなかったし、かといって皮を食べないで実だけ食べたら酸っぱかった。でも、大人になって、というか去年ひとに勧められて、「試しに」といった感じで食べてみたらやたら美味しかった。それに、なんか「ビタミンCたっぷりで健康にイイ」ってカンジもあるし。それで、きょう買って帰ったという次第である。

子どもの頃嫌いで大人になって好きになった食べ物としては他にもいくつかあるけれど、まず思いつくのはゴーヤである。子どもの頃にゴーヤを食べたわけじゃないけど、家の庭には苦瓜(地方によって呼び名が違うかもしれないけど)があって、この苦瓜(ニガウリ)を味噌いためにしたものがときどき食卓に並べられた。僕はこれが大嫌いだったので食べなかったのだけど、大人になってゴーヤ(苦瓜とは別物だけど、まあ似たもんだと思っている)を食べたら(たぶん酒のツマミとして出てきたんじゃなかろうか)うまかったのである(やはりこれもビタミンだかなんだか健康によさそうなイメージもある)。