米大統領選

『白人男性 夢なき時代』(朝日18日)
「自分たちの立場を代表してくれる政治家はいったい誰なのか。(略)中流層の白人男性が、米大統領選で自問している。」

自分にとって得になる政策を持つ大統領を支持するのは当然といえば当然なのだが、自分だけが得をすればいいんですか?という、ちょっとイジワルな感想も持ってしまう。それは大統領選に限らず、国会議員選挙でも県知事選でも市町村議員選でも同じだ。
言い換えれば、人は自分にとって何を「得」と感じるかという問題である。仮に、貧困層の生活向上を目指す政治家がいたとして、自分が裕福だったり中間層だったりしたとき、その政治家の政策は自分に「得」をもたらさないから支持しないという立場に立つのか、自分が得をしなくても困っている人たちを助ける政策は気持ちいいので支持したいと考えるのか、人によって違うと思う。つまり、後者の人は、自分にとっての経済的メリットより政治が貧困層を支援することで得られる精神的満足感を、より「得」と感じるのである。もっとも、それなりの経済的余裕があってはじめて精神的満足を選ぶことができるのだろうけど。